こうきちの小屋 はるのこうきち雑記ノート

抱きまくら抱きしめて眠るおじさんの日々

父との思い出 【成人後】(「流星ワゴン」重松清 )

はるのこうきちと申します。「将来、絵本作家になれたらいいなあ・・・」と思っているおじさんです。

父親に感謝の気持ちを伝えたくて、父親に勧めた本です。
「流星ワゴン」重松清さん 

私の母が父より先に大病を患い、それを機に母には感謝を伝えられたのですが、父に同様の行為をしていないことが私の人生のやり残しというか忘れ物というか、そういう感じで気になっていた時にこの本を読みました。

それで、母に「無理強いはしなくていいけど、俺が親父に『流星ワゴン』という小説を勧めていたと伝言してほしい」と頼みました。
直接だと照れ臭かったので。

その後で最初の年末年始休みに帰省した時、母から「お父さん、図書館で借りてきてあの小説読んでたよ」と伝えられました。
「私も読んだ」(母)のおまけ付きでした(笑)

(ここから先、小説の中の(私にとっては)印象的なシーンのネタばれになるので、未読の方はこの先は読まない方がいいかもしれません。)

帰省滞在中の大晦日、紅白を観ながらたくさんの酒を飲み、深夜0時を過ぎた頃、氏神様の神社に両親と私の三人で初詣に行きました。

初詣が済んだ帰り道。
寒さと、出発前にしこたま飲んだお酒のせいで小の方をもよおした私は、どうしても我慢ができないことを悟り、枯れ草がちらほらの空き地に入っていきました。
そうしたら父が「俺も」と言って一緒に入ってきました。
空き地とはいってもどなたかの土地でしょうから、普段の母なら咎めの言葉の一つもあると思うのですが、その日は黙認、見て見ぬ振りでした。

ひょっとしたら、人生で唯一の、父との「連れション」でした。
「流星ワゴン」を通して父への感謝が伝わったことを確認できた私としては、思い出の「連れション」になりました。
父にとってもそうだったと思います。

この小説「流星ワゴン」で一番涙が出たのは・・・私の場合はあのシーンでした。
ネタばれになるので、それは書きませんけどね(^^;

流星ワゴン (講談社文庫)