こうきちの小屋 はるのこうきち雑記ノート

抱きまくら抱きしめて眠るおじさんの日々

罰ゲームが罰ゲームじゃなくなった夜

若かった頃、旅の途中で姉一家の家に泊まらせてもらった。
元々の予定だった。
私一人だけでなく知人も一緒だったので、気づまりな一晩にならないよう私なりに策を練った。
これも何かの縁、せっかくの縁。
知人と姉一家が親交を深めるのも良いだろう。そういう思いもあった。

私の居住地からでいうとかなり遠方である姉一家の家。だが、私はその晩のために旅行バッグの中にあるものを潜ませていた。
私んちの近くのおもちゃ屋で買った「黒ひげ危機一髪」
そして、男の私が近所の安売り雑貨店でドキドキしながら買った「ベージュのストッキング(当然女性用)」
それまでの行程、私のバッグにはずっとそれがあった。

夕食と風呂を全員が終えたタイミングで私がサプライズ宣言した。
「黒ひげを3回飛ばした人が罰ゲームで顔面ストッキングです!いざ開催!!」

結果。全員で死ぬほど笑った。
最初に罰ゲームをしたのが誰だったかは憶えていない。
甥っ子二人が大喜びで、負けてないのにかぶりたがるくらいの大盛り上がりとなってしまった。
既に中学生となり乙女心が育っていた姪っ子はちょっと嫌そうだった(笑)
姪っ子はそれ以上に、お母さん(私にとっての姉)がストッキングかぶりさせられることに心を痛めていた。
美人と称されることも多かった私の姉(姪っ子にとっての母)
その母の顔がストッキングで歪まされるのが嫌だったようで。優しい子だ。

でも、女性陣は各人一回の披露で済んだと思う。
(それに、本気で嫌がっているのを無理やりに強制したわけでもないことはご理解いただきたい。)

話を戻す。
まだちびっ子だった甥っ子(弟)のそれが面白過ぎた。
肌が柔らかいからか、他を寄せ付けない面白さだった。
甥っ子(兄)のも面白かったのだが、これについては弟の圧勝だった。
かぶっている途中の顔も哀しげな表情風で面白かったが、やはりどうしたって面白いのは引っ張り上げタイムだ。
死ぬほど笑い転げる姉一家と旅の途中の客人二人。

みんなが笑ってくれることで、ストッキングの向こうの甥っ子(弟)の顔はキラキラと喜びに満ちていた。
「これはどう!?」
「これはどう!?」
その全てが面白かった。

ああストッキング買っていって良かった。心からそう思った。

今は使っていない私のガラケーにその写真が残っている。
今見ても笑える。
許可を得ていないのでここに載せることは控える。
(みなさんにも見せてあげたかった。)

今では筋骨隆々の甥っ子(弟)だが、当時は何かとすぐに病院のお世話になる子だったようで、翌朝「顔がかゆい」との申告あり。
姉はお休みの日でもやっている医院で甥っ子(弟)の顔を診察してもらうと言っていた。私たち客人を駅まで送った後に行く、と。

俺のストッキングのせいで(って、俺が着用したものではないが、そのせいで)余計な用事を作ってしまって申し訳ない・・・と思ったが、「でも面白かったよねみんな?!」という気持ちがあったのも事実。

 

あれより笑ったのは過去記事のこの晩くらいだと思う。

haruno-koukichi.hatenablog.com

 

黒ひげ危機一発 金の決定剣増量ver.