こうきちの小屋 はるのこうきち雑記ノート

抱きまくら抱きしめて眠るおじさんの日々

【発達障害児の親】幼稚園で「透明人間」扱いされたわが子

わが子が2歳頃でしょうか。(2023年4月21日 後日加筆:私のスケジュール帳が残っていて見てみましたら、1歳9ヶ月の時でした。)

私も妻も両方どうしてもわが子を見られない時間帯が発生してしまう日。
保育園の「一時預かり(?)」というのを利用させてもらいました。

お迎えの時に、ベテラン保育士さんに妻が言われました。
「専門家に診ていただいたこと、ありますか?診ていただいた方がいいかもしれませんよ」と。

「こんな扱いにくい子を預けられて、今日一日本当に大変でしたよ・・・」の嫌味と受け取った私たち夫婦は、申し訳なさを感じつつも「そういう例えをしなくてもいいだろうに・・・」と思いました。
そういう意味では、その頃の私は、発達障害で苦しんでいる子ども本人やその親御さんの気持ちをわかっていなかったと言われても反論はできません。
そういう申し訳なさはあります。申し訳ないです。
後に判明した結果からいうと、この保育士さんはわが子を心配して親切心で言ってくれたようでした。

なぜなら、この後、わが子は「発達障害である」と診断されたからです。

妻の頑張りで「療育」に通えるようになりました。「公的」も「民間」も。
(2023年4月21日 後日加筆:療育に通い始めたスタート日は私のスケジュール帳に残っていませんでした。スタート日はわかりませんでしたが、2歳6ヶ月時点では既に通っていたことが確認できました。申し込みをしても枠が空く順番待ちでなかなか声がかからず、不安な気持ちで過ごした期間があったことを今日思い出しました。)

わが子、療育で力を付けさせてもらった部分も間違いなくあると思います。
でも、わが子には合わないことも多かったように思います。

療育に通っているわが子が幼稚園に入れるか心配でしたが、可能であれば通わせてあげたく、妻がいくつも幼稚園を見学してくれました。(休日であれば私も。有休を取って私も。)
療育に通っているわが子に対して一番よく対応してくれそうだった幼稚園に申し込んだところ、受け入れてくれて入園が決まりました。
感謝でした。本当に感謝感謝でした。

わが子の幼稚園生活がスタート。
わが子は補助の先生とは相性が良かったのですが、担任の先生がわが子には向いていない先生でした。
よその幼稚園でもそういう運営に落ち着きそうですが、「一番のベテラン先生」が担当するクラスにわが子は振り分けられていました。(それが「無難な判断」になるのでしょう。)
「この先生が我が園のナンバー1ですから。この子のために、一番良い対応をしましたよ」
幼稚園としては、そういう気持ちだったのだと思います。悪気なく。(「ベテラン先生のプライドに配慮して」・・・とかではなく。たぶん。)

でも、ベテラン先生の全てがそうではないかもしれませんが、ベテラン先生ゆえに、自分がこれまでやってきた幼稚園児対応に自信があるようで、発達障害の子どもに適した対応はしてもらえませんでした。

わが子、不安が強くなると、(周りの子と同じように振る舞いたいのにそれができない焦り悲しさそういったものの表れもあると思いますが)、そんな時は部屋の隅に逃げたり、棚に上ったり、動物の真似を始めたりしていました。

わが子が「動物の真似」をすることは、「不安を和らげるための防具(プロテクター)」をまとうようなことだったのではないかと、今私はそんなふうに思っています。
また、動物の真似という「防具」をまとうことによって、おともだちとコミュニケーションをとる勇気をぎりぎり何とか絞り出していたのかもしれないです。

でも、担任の先生からすると全てが「手がかかる」行動に見られてしまいました。(まあ、それはそうなんですけど(汗))

担任の先生からクラスの子どもたちにこういう明言はされていなかったはずですが、先生の言動・態度の端々から、先生のこういう方針は伝わってきました。

「先生はこの子のこういう行動を認めていません。
でも、この子にそれを言っても仕方がないから放置することにします。
みなさんも、見て見ぬ振りというか、いちいち反応しないようにしてください。
反応してあげると調子に乗るだけですから。
私はこの子のこういう行動を認めていませんからね、マネしてはダメですよ。相手をしてはダメですよ。」

何かしらの心理学の理論にそういうものが含まれるのは見聞きしたことがあるようには思います。
好ましくない行動に反応を返してしまうと、「味をしめて」また同じことをするようになる。「だから、反応しないように。」

でも、わが子の動物の真似は、ふざけているとか構ってほしいとかそういうものではなく、もっと切実なものだったのでは?と親としては今そう思います。

しかし、わが子は、クラスに在籍し通園していましたが、担任の先生主導で「透明園児」として扱われました。
そして、幼稚園に行けなくなりました。

(ここに書く、このカッコ内の文、余分な文だということは認識していますが、わが子の親としては書かせていただきたく思いました。
わが子は、他害行為はほとんどない子です。
私と妻相手には暴れますが、おともだち相手に手が出たのは、3歳頃まで。
「ケンカ両成敗的な噛みつき合い」も含めて、回数は片手におさまると思います。
場も、幼稚園ではなく療育の場でのみです。
だから、他害行為がひどくて幼稚園のおともだちからも敬遠されていた・・・とかではないのです。
それでも、担任の先生はそういう対応でした。・・・余分な文、終わり。)

その幼稚園からは正式に退園しました。

その後、妻の頑張りで見つかった、新しく受け入れてくれた保育園が素晴らしく、わが子は少し持ち直しました。

退園することになったその幼稚園は、悪気なく「うちでベストとされている先生」のクラスに入れてくれたのでしょう。
でも、今の時代、発達障害の子が多くなってきています。
これまでの実務経験だけでなく、発達障害児のことについても理解を深めたいと思ってくれているような、そんな先生に任せていただけると発達障害児の親としてはありがたいと思います。
ベテランでなくてもいい。(いや、正直に言えば、ベテランじゃない先生の方がいいかもしれない。)

でも、その後受け入れてくれた保育園には、ベテランの先生にも「本当の実力者・本当の教育者」の先生がいらっしゃいました。
わが子を持ち直させてくれて、感謝しかありません。
保育園の先生方。ありがとうございました^^

(幼稚園がダメで保育園が優れているということではないですよ!
わが子にはそういう巡り合わせだっただけです。)

※下に貼り付けたこの歌、今日知りました。当時のわが子の状況を歌ってくれているような歌はないものかと思って検索してみまして・・・。
幼児だったのにこんな思いをしていたであろう当時のわが子のことを思うと、涙があふれました。


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子どもの発達障害 子育てで大切なこと、やってはいけないこと (SB新書)