「ネギ怪人をやっつけろ」(作:はるの こうきち)
1
ネギ農家のみなさん、ごめんなさい
ぼくはネギがにくいのだ
2
かむとじゅるっとずれるところ
へんなあじのしるがぶじゅっとでてくるところ
おくばでちゃりっとなるところ
とにかくとにかく
いやなのだ
3
ひょっとすると
くろまくに
ネギ怪人というのがいて
ひとびとにいやがらせをしているのではないだろうか
4
このあいだ、おとうさんに
「ぼくはネギがにがてだ」ってしょうじきにいったら
「そんなことがあるか!こんなにうまいのに」って
ネギをやまもりにされた
うそ~っ!?
ゆうしょくがおなべだった日
ぼくのとりざらにおとうさんがネギをばんばんいれてきた
ぎょえーっ!
5
まえからしってたけど、おとうさんはネギがすきなのだ
「こんなにうまいんだからたくさんたべさせてやろう」って
おとうさんはほとけさまのようなそんなきもちなのかもしれない
6
・・・とおもっていたら、
「にがてなものはひとの3倍たべさせる
そうすればすききらいはなおるんだ」って
おとうさんがじごくのオニにみえたのだ
7
ネギ怪人のてさきになってしまったおとうさんがにくい
おとうさんをにくくおもわせるげんいんのネギがにくい
ネギ怪人め!
よし!
ぼくはネギ怪人としょうぶすることにした
ネギなんかやっつけてやる!
ぼくはいかりにふるえてネギ畑にむかった
まっていろネギ!ネギ怪人!
8
・・・これでもかとネギがはえていた
さきっぽにしろいへんなのがついている
かぐやひめみたいに
あそこにネギ怪人のあかんぼうがはいっていたりして
ぜんぶに?
きもちわるくなって
しょうぶするのをあきらめた
そのとき、
だれかがぼくによびかけた
(明日アップの後編につづく)