こうきちの小屋 はるのこうきち雑記ノート

抱きまくら抱きしめて眠るおじさんの日々

「ネギ怪人をやっつけろ」後編

「ネギ怪人をやっつけろ」、昨日アップした前編はこちらです。

haruno-koukichi.hatenablog.com

(前編からのつづき)作:はるの こうきち

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「しょうねんよ、しんぱいにはおよばない。
そのなかにネギ怪人のあかんぼうははいっていない」

あなたは?!

「わたしはハクサイ戦士!
きみはハクサイはすきかい?」

はい、おなべのハクサイも
おかあさんがつくってくれるコンソメスープのハクサイも、
おつけもののハクサイもだいすきです

「それはすばらしい!ハクサイかんげき!
はくしゅかっさいだ!
きみをたすけるためにわたしにきょうりょくさせてくれ!」

 

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「残念ながらネギ怪人のいどころはわからない。
だからきみのおとうさんを説教する!」

え~!?いいですよ!ちょっとまってください!

「あなたがこのしょうねんのちちか?
しょうねんはハクサイはきちんとたべられているらしいじゃないか!
それでじゅうぶん、はくしゅかっさいだろう!
むりやりたいりょうのネギをたべさせるとはなにごとだ!!」

「なんだおまえは?!」

「わたしはハクサイ戦士!!

しょうねんのちちよ、あなたはこどものころに
どうしてもたべられなかったもの、
にがてなのにおとなにむりやりたべさせられていやだったものはないのか!!」


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「そういわれれば・・・・・

おれにもどうしてもたべられないものはあった。
それをおやじにむりやりたべさせられてとてもつらかった。
いまでもそのたべものをみるとかなしくなる。
おとなになってからはそれをいちどもたべていない・・・・・」

「そうだろう。
あなたはむすこにおなじことをしているのだ。

そんなことですききらいはなおらない。
かりにそれでたべられるようになったとしても、『いやいや』だ。
たべられるやさいだって、そんな『いやいや』たべられてもうれしくはない。

いまはハクサイでじゅうぶんだとおもおうじゃないか、
なあ、しょうねんのちちよ」


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「そうだな、
きゅうしょくのときにおまえがこまらないようにとおもってのことだったが、
おれはまちがっていたのかもしれない。
すまなかったな、むすこよ・・・」

「わかってくれればそれでいい。
あなたはいいちちだ。

しょうねんよ、
ハクサイをすきでいてくれてありがとう!

きみがいまよりもおおきくなったら
ネギもたべてみるといい。
きみはネギすきのおとうさんのこだ
きみにも、ネギをおいしいとおもえる日がくるかもしれない。

ではさらばだ!」


あ、ハクサイ戦士!
まだおれいもきちんといえていないのに!

 

 

 

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「よお、かつやくはこっそりみさせてもらっていたぜ」

「む?おまえはピーマン忍者!」

「しかし、おまえはえらいな。
おれなんか『ピーマンがにがてだ』なんてことをいうこどもがいたら、
『こんなにうまいのになにいってやがる!!』って
文句のひとつもいいたくなるんだがな

おまえ、ハクサイ戦士になりすましてるけど、
ほんとうは・・・」


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「おまえ、ほんとうはネギ怪人だろう!」


「ふははははは!さすがだなピーマン忍者!

いかにも、わたしはネギ怪人。
ハクサイ戦士のへんそう、よくぞみやぶった

『ネギがどうしてもにがてだというこどもに
 おとながむりやりネギをたべさせる』

わたしにはそれがただしいことだとはおもえないのだ

いまはネギがきらいでも
いつのひか、そんなこがおおきくなって
ネギをおいしいとおもえる日がきたら
そのときはぞんぶんにネギをあじわってほしい

わたしのねがいはそれだけだ」


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ハクサイ戦士さま

お元気ですか
きょうもどこかでネギきらいのこをすくっているのでしょうか

きょうのばんごはんはおなべでした

ハクサイ、とてもおいしかったです
おとうさんはぼくのとりざらにネギをいれてきませんでした

ぼくがもうすこし大きくなって
ネギをおいしいとおもえる日がきたら
そのときは、ネギもたべてみようとおもいます

それでいいんだよね、ハクサイ戦士

ハクサイ戦士、ありがとう

 

 

 


(おしまい)

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