こうきちの小屋 はるのこうきち雑記ノート

抱きまくら抱きしめて眠るおじさんの日々

リン先輩がいてよかったね!(宮崎アニメ「千と千尋の神隠し」) からの、漫画「夫ですが会社辞めました」(著:とげとげ)

千と千尋の神隠し」にあまり思い入れがないおじさん、こうきちです。(元も子もない言い草・・・)

でも、この映画を観て「千尋ちゃん、リン先輩がいてくれてよかったよね・・・」と思いました。
釜爺も心根は優しいことがわかりましたが、「身近なリン先輩がああいう感じのいい先輩でホントによかったね・・・」と、それは心から思います。

過去記事「パズーは背中に感じてた(by宮崎駿さん)(「天空の城ラピュタ」)」でも紹介した「月刊Cut」という雑誌の「平成21年(2009年)12月号」。

そのP48で宮崎駿さんが先輩「リン」についてこう述べていました。

(インタビュアー)しっかりもののお姉さん的存在というものもありますよね。『千と千尋』の『リン』とか、ああいうのってのはやっぱり物語として、すごくやりやすいんですかね、宮崎さん。
「やりやすいから選ぶっていうよりも、そういう人がいてほしいんですよね。多分職場で出会う先輩とかで、そういう人と出会ってるはずなんですよ(後略)」

・・・いい職場だったら、そういう出会いはあるでしょうね^^
そういう良い先輩、いるところにはいるってことはわかります。

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全く話は変わりますが。
同じ雑誌からまた、一部を紹介させていただきます。

P24
魔女の宅急便(1989年)」についての宮崎駿さんのコメントです。
2009年時点のコメントなのか、公開当時の1989年当時のコメントなのかわからなかったのですが、宮崎駿さんのコメントはあくまでもその時点でのコメントです。

(雑誌サイドの前置き)
角野栄子によるシリーズものの児童文学を原作にした本作で、宮崎は初めて文学作品の映画化に本格的に取り組んでいる。ただし、これ以降の作品と同様、オリジナル作品に大胆な解釈を加えているため、類似点はほとんど見られない。10代の少女たちを観客層として想定した本作は、魔法が実在する世界を舞台としていて、主人公の若い魔女は13歳で親元を離れなければならないというルールがある。危なっかしいキキと皮肉屋の猫、ジジを中心としたストーリーには『トトロ』と同じように悪者が登場せず、目立った対立も起こらない。映画を通して描かれるキキにとっての挑戦はいたってシンプルで、〝自分に自信を持つこと”ーーーただそれだけなのである。
(以下、宮崎駿さんのコメント)
「若いアニメーターたちが仕事に困っている様子を見ていて思いつたんです。仕事というのは、単純にお金を稼ぎ、生活をするためだけにすることではありません。自分の人生を生きるにはどうしたらいいのか、この世界で自分の個性を表現していくにはどうするべきなのかーーーこの映画を作っていたとき、我々が関心を持っていたのはそういうことだったんです。今作るのなら、また違うものができるでしょうけどね。たとえば、キキは魔女として生きていけばいいわけだけど、トンボ(キキが友達になる飛行機好きな少年)は試験に合格して大学に行って、仕事をみつけなければならない。それができて初めて『ぼくとデートしてください』とキキを誘うことができるんです。ぼくが思うにキキは、おそらく宅急便の仕事を続けながら、いろんな人に出会って、毎日を楽しんで、ときにはちょっと腹を立てたりしながら生きていくんです。キキが配送サービスの会社を起業して社長の座に就くというストーリーなんて、誰も見たくないですよね(笑)。中国でならわかるかもしれないけど・・・・・・(笑)、日本では有り得ないですね」

私の意図が入り込まないように、P24を忠実に全て引用しました。句読点の位置も、平仮名か漢字かも、誌面に忠実にしてあります。
念押しですが、2009年時点のコメントなのか、公開当時の1989年当時のコメントなのかわかりませんでしたが、いずれにしても宮崎駿さんのコメントはあくまでもその時点でのコメントだということは念押しさせていただきます。

今だと、色んな状況に置かれている色んな人からそれぞれに異論が出てきそうなコメントですが、それを宮崎駿さんにぶつけたい気持ちは私にはありません。
ただ、このコメントを元に私が思ったことは書き留めておきたく思いました。

宮崎駿さんのコメントからどんどん離れていく部分も多々出てくること、ご了承ください。

・トンボの『デートへの誘い』の部分を読んで、「そんなことはないでしょう」と思う人、「その通りだ」と思う人、両方いるんでしょうね。(特に男性)
・既婚女性が家計のプラスアルファを生み出すための労働であっても、独身女性がご自身の生活費のための労働であっても、今の日本は多大なストレスの代償としてしか「それ(職&賃金)」が手に入らないような、そんな現実もありそうです。女性には生きにくい世の中のように思います。(男性も同じかな・・・)
・今の日本は、女性がお小遣い稼ぎ的な気軽な(?)気持ちで労働できるのは、夫さんが高給取りで生活に心配のない上級国民だけだと思います。
(私には想像できない世界ですが、高給取りのご家庭でも、お子さんが二人以上とかだと収支は厳しいというような記事も見ます。そうなんですね・・・。)
・そもそも、私が先ほど書いてしまったような「小遣い稼ぎ的な気軽な(?)気持ちでの労働」をしている人は少ないと思います。
みんな生活のために必死だと思います。家計に不安がない場合であっても、自分の仕事が好きだったり楽しかったり、自己実現のためだったり、世の中のためだったり。あるいは何かの資金を作るためだったり。みなさん頑張って勤めてらっしゃると思います。

続けます。
以下も私個人の感想です。「これだ!」というような解決策は何も提示できません。ただの感想です。
それぞれの立場で、大変さの濃淡はあると思いますが・・・

共働きなのに夫さんが家事を全く分担せず、全てを負担させられている妻さんは本当に大変な思いをしているだろうなと思います。
・専業主婦も大変だと思います。家事や子ども関連だけでも大変だと思いますが、老親の介護や、障がいを抱えた家族のケアがある場合は、「専業主婦」の言葉を超えた超絶的な大変さがあると思います。(発達障害のお子さんがいるご家庭の妻さんも同様だと思います。)
・共働きのフルタイムなのに家事プラス上記ケア負担をメインで受け持っている妻さんが、「一番の一番」で大変だと思います。
・老親の介護や、障がいを抱えた家族のケアがなくても、乳幼児の世話をしている時期の妻さんは(やはり乳幼児の育児はどうしても妻さんメインになりますから)大変だと思います。男は、妻さんの大変さをわかってあげられていない人が多いと思います。反省を込めて、かつての私も含みます。(妻さんの代わりをやれと言われてやれる夫さんはほぼいないと思います。)(私はわが子の「うんこおむつ」は替えていましたけどね^^)
・「家計のメインを担っているのが夫さん」の家庭であれば、「俺の収入で家庭を支えなければ・・・」というプレッシャーが相当なものであることは妻さんもわかってあげてほしく思います。
・男性が女性に「じゃあ今の俺と同じ金額を稼いできてくれる?喜んで主夫におさまりたい男は少なくないはずだよ」というのは、言いたいこと自体は私も理解できます。(でも、そういう男性に限って、実際に主夫として家庭に入っても、家事をやりこなせる確率は低いと思いますが・・・。)
収入のメインを担って家庭を支えるために仕事をしている「夫側」のプレッシャー・言い分、私はわかります。
・でも、女性が十分な収入を得られない社会、そういう賃金体制を作ってきたのは、過去長期間「男性社会」を強化してきた「過去の男性群」なのでは?と思います。
「男性社会を強化してきた、過去の男性群」に、今の男性も女性も苦しめられているような・・・。
・同性パートナーの場合、「女性と女性」が収入面では一番大変なのでしょうか、今の日本だと。
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漫画「夫ですが会社辞めました」(著:とげとげ)

私、とげとげさんのこの漫画、読みました。おもしろかったです。心に沁みました。

パートナー二人が男女の場合、女性の方が収入が多ければ or 女性の方が外で頑張れるタイミングであれば、「男性が主夫で女性が家庭の家計を担う」そういう形がもっと増えてもいいように思います。
ただ、そこには「例え同一労働でも女性の方が賃金が安い・・・」「女性は全般的に低賃金」というような日本の問題が立ちふさがってくるのだと思います・・・。

解決策は何も提示できません。ただの感想です。

でも、頑張ろう、にっぽん。頑張ろう、わたし。

夫ですが会社辞めました (コミックエッセイ)

千と千尋の神隠し―Spirited away (2) (アニメージュコミックススペシャル―フィルム・コミック)

 

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