こうきちの小屋 はるのこうきち雑記ノート

抱きまくら抱きしめて眠るおじさんの日々

きまじめ潔癖君にはね返された日

体育のテストで不正を働こうとしたことがある。
といっても、授業の一環で、大した話ではない。
授業中ずっと自由にサッカーの紅白戦をやっていた時期があって、
それしかやっていなかったのに急に「リフティングを何回できるか」のテストが実施された。私の結果は「2回」だった。
恥ずかしい。
サッカー部ではないにしても、運動部に所属しているのに「2回」は恥ずかしい。
それで、出席番号順でペアになっていたチェック役に「4回ということにしてくれない?頼むよ」と懇願した。

断られた。
「とんでもない!」という顔をされた。
結果確認で教師が回って来た時、彼は告げた。「2回です」と。さわやかに。

 

私は運動神経が悪い。
リフティングは最高でも7回くらいしか続いたことがなかったはずだ。
その「自己ベスト(7回)」でお願いしたわけではなく、「4回」という控えめ目な上積み。
うん、悪くない。妥当だ。(なんのこっちゃ)

 

申し出を受け入れてもらえなかったこと、今は当然だと思っている。
そういうことを懇願したことについては、まあ、許してほしいところである。
(誰に?お天道様に。)
あの時はすみませんでした。

 

私は大人になるまでどちらかというと「真面目」「融通が利かない」という人物像で受け止められることも多かったのだが、そんな私でもそういう「ずる」を試みることもあったのだ。
そのくらいは人間味のうちだ。
・・・と思っていいのかはわからないが、まあ、よしとする。

 

そんなことより。
私は中学の同級生が今何をしているのか、当時相棒だった一人の現況しか知らない。
だから、不正を突っぱねたその時の彼が今どこで何をしているかは知らない。

彼は「不正を持ちかけられました」という告発はしなかった。

でも、「黙っておいてあげよう」というような温情もなかったように思う。そういうことに無関心に見えた。

あの彼は今のこの世の中を渡って行けているだろうか。

今日、そんなことをふと思った。

でも、自分のことで手一杯の私が心配することではないね(汗)

彼はきっとどこかできちんと生きていることだろう。