こうきちの小屋 はるのこうきち雑記ノート

抱きまくら抱きしめて眠るおじさんの日々

一人で90km歩いた

随分昔のこと。私が20代前半だった頃、90kmほどを一人で歩いたことがあります。
前回の記事で書いた「ヒッチハイク」よりは後のことです。

haruno-koukichi.hatenablog.com

 

当時、実現させたいことがありまして。
具体的な事象というよりは、「心の持ちよう」「自信」に関するようなことでした。

それで、その「実現させたいこと」を実現させるために、90kmほど先の目的地まで一人で歩いてみようと思い立ちました。
(自分のことながら、こういうことを思い出す度に「俺ってバカだったなあ・・・」と思います。)
その「実現させたいこと」は、具体的な事象ではなく「心の持ちよう」「自信」に関するようなことでしたから、90km歩くこととそれが実現することは、冷静に考えれば何も関連性はありません。
例えていうなら・・・「テレビで紹介されたこともある『大食いメニュー』で有名な定食屋さんの、その大食いメニューにチャレンジしてみよう。それを完食できれば、『自分の歌声』が高評価される自信を持てるような気がする!!」
・・・そんな感じでしょうか?
もし大食いをクリアできたって、自分の歌声を人がどう評価するかには全く関係ありませんよね、本当なら(苦笑)
(あくまでも例えです。私は歌手になりたいと思ったことはないです。)
でも、日本には「お百度参り」というようなものもありますので、「ちょっと形は違うけど・・・ 自分自身のための『お百度参り』みたいなものにしよう 」
当時の私はそんな意味合いを感じていたんだろうな・・・と思います。

きっかけとして、人から「100km歩いたことがある」という話を聞いたというのはありました。
(ひょっとしたら「100km歩いたことがあるという奴の話を聞いたことがあるんだけどさ」という話を聞いた・・・だったかもしれません。そこは忘れました。)
で、その話を聞いて「俺もちょっとやってみようかな」と思い立ちました。
地図上で、スタート地点(自宅アパート)からゴール地点まで裁縫糸をくねくねとはわせ、その長さを計って縮尺率で計算したら「90km」でした。
それで、「ま、これでいっか」と。

真冬の早朝にスタートして、翌日の早朝までかかったように思います。
後半、「俺はなんでこんなことをしているんだろう」という思いも湧き上がり、でも、やめられませんでした。

途中あまりに寒くて、もし道端で休憩したとして、うっかり「うたた寝」でもしたら死ぬんじゃないかと思い、個人経営の中古車販売店のようなところで、接客用のガラス張り事務所のようなところに入れてもらい、休憩させてもらいました。
暖をとれてとてもありがたかったのを憶えています。

道中とても大変でしたが、ゴールした時は思っていたほどの感動はなく、「ああ、やっと着いた・・・」というだけの心境でした。
目的としていた「自信」「心のもちよう」には何の影響もおよばさなかったです(苦笑)

両方の足の裏に超どでかいマメができていました。オーストラリアのようなマメ。
当時の私はスポーツに取り組んでいたので(その時はちょうどオフシーズンでしたが、それでも)スタート前は正直にいうと、もっと楽に終わると思っていました。
もう二度とあの距離は歩きたくありません(苦笑)

はてなブログ内で、100km歩いた方の記事をお見掛けしました。100km、すごいです。
私の場合でいうとあそこからさらに10kmは厳しかったと思います。
最初から90kmでゴール設定しておいて良かったです(^^;

帰りは電車でぴゅ~っでした(笑)

「帰りは楽ち~ん」で思い出しましたが、私が小学校低学年の頃に、一家で10kmほど歩くピクニックをしたことがあります。
昼ご飯のお弁当は両親が持って歩いてくれましたが、食べ終わってもさほど軽くならなかったようで「重かったのは重箱だ!ラップで良かったんだな~」と両親が反省会をしていたのは憶えています。
この時の帰りは路線バスでした。
帰りはバスで楽ち~んでした(笑)

自分が90km歩いたということもあり、その後、高校生が行事として100km(?)を歩く「歩行祭」がテレビのドキュメントで扱われていた時や、歩行祭がモチーフの小説「夜のピクニック」が発刊された時はどうしても気になりました。
夜のピクニック」、読みました。おもしろかったです。

長距離歩行を毎年の行事でやっているような学校では、疲労が蓄積しにくいよう・足の裏にマメができないよう、休憩設定のノウハウが受け継がれているんだろうな・・・というのを思いました。

私の場合、前半の十時間ちょっとを『ほとんど全く休憩なし』で歩いてしまったこともあり・・・。
「若かった。バカだった。」
今でもまだ十分バカなんですけど(苦笑)、自分に対してその感想しか思いつかない『単独90km歩行祭』の思い出でした。

 

 

夜のピクニック(新潮文庫)