小学校の2年生か3年生の夏休み、「あそこの木でクワガタを捕まえた奴がいるらしい」という情報が出回り、よく遊んでいた5人で早朝に集まる約束をしました。
全員揃ったところで木を見上げるも、クワガタを確認することはできず。
一番身軽だった細身A(以下、細身)がひょいひょい登っていき、ゆさゆさと枝を揺らしました。
ボトッ
結構なサイズのヒラタクワガタのオスでした。
「おお~っ!!」
(すごいな、細身・・・)
・・・とみなが思った(と思った)その時、下から見上げていただけの固太りB(以下、固太り)がさっと駆け寄ってそのクワガタを確保し、当たり前のように自分の透明ケースにしまいました。
え~~~っ!!??
今回のそれは、頑張って上まで登って枝をゆすった細身のものになるんじゃないのか?
でも、固太りがあまりにも堂々と自分のものにしたので、木から降りてきた細身も何も言い出せませんでした。
(クワガタ捕りのルールってそうなのか・・・?)
固太り以外の4人はモヤモヤしつつもその疑問を口にすることはできませんでした。
その時の5人に序列のようなものはなく、「ちょっと違うんじゃない?」と言おうと思えば言える間柄でした。
でも、固太りのあまりにも堂々としたその態度に、4人は沈黙せざるを得ませんでした。
でも・・・後日、細身と固太り、さらにCもいないところで、一番仲が良かった相棒と二人だけで「あれ、おかしいよね?あれは細身のものだよね」と話し、私たち二人の意見は一致しました。
あの時、その場で言ってあげられなくてすまぬ、細身よ。
固太りは立派なヒラタクワガタは手にしましたが、その後ちょっとだけ皆から心の距離を置かれる存在になりました。
あのヒラタクワガタ、普通なら誰のものとするのが正解だったのでしょうね・・・。
(いや、本当なら間違いなく細身のだろうよ・・・と今でもそう思っている私でした。)
その後、私もヒラタクワガタのオスを入手できました。おじが持ってきてくれたように思います。「こうきち、お前クワガタとか好きだったよな。たまたま見つけたから取っておいてやったぞ」と、そんな感じで持ってきてくれたような。
それで、お気に入りでかわいがっていたのですが、ある日、親指をはさまれました。
むちゃくちゃ痛かったです。
むちゃくちゃ痛かったですよ、まじで。
(永遠にも感じられたパニック数分間を経て、お気に入りのヒラタクワガタはふっと大あごをゆるめてくれました。泣くほど痛かったですが、指から離すために大人がどうこうしたとか、腹が立ってその後どうこうしたとかはないので、ご安心ください(笑))
クワガタ捕りにはもう一つエピソードがあります。
固太りが細身からヒラタクワガタを横取り(?)したほんの数日後(下手したら翌日)、私、もう一回早朝にそこに行きました。
ヒラタクワガタのオスがどうしてもほしくてほしくて。
でも、一人で行くのが怖くて、姉についてきてもらいました。お願いして。
とは言っても、私も姉も木登りができなかったので、私が幹を蹴って(全然揺れずに)クワガタも落ちて来ず、「ダメそうだね・・・」とあきらめて帰っただけだったのですが(苦笑)
姉は憶えていないと思いますが、クワガタに全く興味がないのに自転車で一緒に早朝往復してくれた姉ちゃん。
ありがとう!!
下に貼ったのは私の姉の記事です。