私は水泳が苦手だ。嫌いだ。ということは一つ前の投稿で書いた。
haruno-koukichi.hatenablog.com
でも、そんな私だが、わが子と親子スイミングに通ったことがある。
「子どものための親子スイミング」
ものすごいストレスだった。
当初は、私は水には入らないでいい約束だった。
その約束でスイミングスクールの見学に同意した。
見学し、わが子がスイミングにやる気を見せた。でも、自分一人で参加する(子どもたちだけの)コースは怖がった。
妻が「可能性を大事にしてあげたい」と真剣に訴えてきた。
「もしわが子に水泳の適性があったら、人生を送っていく上で、それが心のよりどころになるかもしれないから」と。
妻は「どうしても無理だったら、私が一緒にプールに入る役をする」と言ってくれたが、私も一応はへろへろながらもぎりぎり25mは泳げていた男なのだ。
わが子のためだと考えると「俺は嫌」とは言えなかった。
ダメ親であることは自分で認めて開き直っているが、わが子にとってはたった一人の父親なのだ。やるしかなかった。
親子スイミングでは、親も泳がされた。
一週間の仕事を終えて息抜きになるはずの週末が、同等かそれ以上のストレスdayになった。
私は学校ではクロールと平泳ぎしか習った記憶がない。
なのに、背浮き泳ぎをさせられた。当たり前のように。「みんな当然できますよね」の流れで。
できるかそんなもん!
でもやるしかなかったのでやった。親御さん全員一斉スタートだったので。
決められたゴールは5m先。
なんとか到達した。奇跡に思えた。
その少し前にEテレで背浮きのコツをやってくれていたのでわが子のために見ておいた、それが助けになった。
その時の詳しい解説は割愛するが、アゴを上げて後頭部を水面下に沈めると浮力が増して浮けると言っていたのだ。
でも実は、親子スイミングの指導員は「アゴを上げないで~!」と直前に指導していた。
効率良く進むための正しい背泳ぎでいうと、アゴは上げてはいけないらしい。
知るかそんなもん!
こっちは必死なんだよ!!
・・・と思って実行したのだが、めざとく見つけられて「ハイそこのお父さん!アゴ上げないってさっき言ったでしょっ!」と言われた。
うるせえ!
次は、他の親子も見守る中で一人ずつやらされた。
しかも10m。
必死にやった。アゴを上げずに。
顔面は完全に水面下だった。
望んでやった潜水ではなく、浮上したいのに浮上できない潜水艦。
潜りたい時は尻がプカッと浮いて全く沈めないのに、浮きたい時は沈み込んで行く私。
水に対してだけはあまのじゃく反応になってしまう私。
私だけが言われたことではないが、背浮き泳ぎに悪戦苦闘する親御さんがそれなりにいたのを見た指導員は言った。
「ね、背浮き泳ぎは意外に難しいでしょう!
これまではお子さんに偉そうに『ああじゃない』『そうじゃない』って言ってたでしょうけど、
これからはお子さんが頑張っているのをほめてあげてくださいね!!」
私は水が怖いのだ。背浮き泳ぎなんてできないのだ。
そんな私が、私なんかより断然上手に背浮き泳ぎできているわが子に「ああじゃない」「そうじゃない」なんて言ったことないんじゃボケ。偉そうに?
言葉は汚いが、その時私が思ったことを正直にここに記す。
「うるせえクソバ〇ア!!」
(失礼しました・・・・・)
その後、コロナ禍に突入し、親子スイミング自体が一時休止された。
しばらくすると再開の案内が来たが、感染リスクを冒してまで通う気にはなれず、そのままわが親子はフェードアウトした。
やい水泳指導員。
自分は泳ぎが得意だからって、誰でも背浮き泳ぎができると思うなよ。
できるかそんなもん!
でも、わが子は学校の水泳授業を楽しみに待てる子に育ったので、そのきっかけになってくれたことは感謝している。