こうきちの小屋 はるのこうきち雑記ノート

抱きまくら抱きしめて眠るおじさんの日々

フルスイングから逃げたぼく

私が小学校低学年の頃だったと思います。
父が大人のソフトボール大会に私を連れて行きました。
結構遠くまで車で向かったので地区の大会とかではなく「取引先が一堂に会して」というような親睦大会だったのでしょう。

運動が得意ではない私としては「行きたくない・・・」
(今でも「そんなところに連れて行くなよ・・・」という思いは無きにしも非ず。)
でも、通知表に毎度毎度「もっと活発に」「もっと元気よく」と書かれてしまう息子の将来を案じて、「何とかしなければ」「何とかしてあげたい」、両親にそういう思いがあったであろうことは、今ならわかります。今なら。

その日のグランドに子供はほとんど(全く?)いなかったと思います。
そして、希望もしていないのに、むしろそれを恐れていたのに「代打、はるのさんちの息子くん!」と告げられました。

抵抗を示すも受け入れられず、いやいや打席に向かう僕。
「ほ~れ、打っていいぞ~」と言わんばかりのふんわりボール。

私は何を思ったのか(いや、理由はしっかりあって)「セーフティーバント」・・・

忍者のような、あるいは、バスケのポイントガードのような、そんな「すばしっこいBOY」であれば、「おっ」と思われたかもしれません。セーフ!出塁!の後も活躍し。

でも、私は超鈍足でした。

小学校高学年になる数年後、ぽっちゃりでもないのに「50m走のタイム、学年ワースト5に入る」という、そんな快挙を成し遂げるほどの男、私。
そんな鈍足MEがセーフティーバント

「空振りして笑われる」、それが嫌だった。
だから、「こつん」とバットに当てた。

笑われたくなくて選んだセーフティーバント
でも、きっと・・・、空振りする以上に笑われたのではないかと今はそう思います。

笑われていることにも気づけないほど嫌で嫌で消え入りたくて、
アウトになった私はベンチにとぼとぼ戻るのでした。

帰りの車で、私に語りかける父。
失望のトーンもなく、腹立たしさのトーンもなく、
少しばかりの困惑と寂しさはあったような・・・。
「思いっきり振ったらよかったのに。
空振りでいいんだぞ。
お前なら、もし当たったら飛ぶぞ多分・・・」

「ぼく」は運動が苦手でしたが、プロ野球選手でひそかに憧れるのは「ホームランバッターたち」でした。
そんな憧れはあったのに・・・。

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見事な空振りだっていいじゃないか。
三振かホームランか、思いっ切りフルスイングかましてこいよ。
(MEもYOUもどうせ鈍足なんだしさ^^)

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今の私なら、当時の「ぼく」にそう言う気がします。

でも、あの頃の「ぼく」は「ぼく」で必死に生きていたんだよ。
あの時の「ぼく」がフルスイングから逃げたのは、仕方ない。
あれはあれで「最善」と思えることをしたまでだ^^

私がそう思ってあげなくて、他に誰がそう思ってくれるんだ(笑)

あの時はフルスイングから逃げたけど、でも、これからは、同じような場面ではフルスイングしたいと思う。

「おじさんは何かと野球で例えがち。
(そんな例えをされても私たちにはわからない)」

最近の若い世代からはそういう不評があるそうですが、
野球で例えたっていいじゃない(笑)

そんなこんなで、今日はこのへんで終わりにしたいと思います(^‐^)

ホームランを打ったことのない君に

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