こうきちの小屋 はるのこうきち雑記ノート

抱きまくら抱きしめて眠るおじさんの日々

投げ釣りの思い出

幼児だった私相手に父が乾布摩擦を頑張り過ぎて、その時のやけどの跡がいまだに背中に残っているおじさん、こうきちです。
わが子に「お父さん、なんでそこ茶色いの?」と何回か聞かれました(笑)

話は変わりますが、父は釣り好きな人でした。
息子である私を釣り人に育て上げて、一緒に釣りができる日が来ることを夢見ていたのかもしれません。(通知表に毎回「活発さが足りない」と書かれ続ける息子を案じて、屋外の趣味を提示してあげたかっただけかもしれませんが・・・)

少年時代、時々父の釣りに同行させられました。
父は基本良い人ですが、運転中や母(父にとっての妻)に対する時だけ短気になる場合があり、当時はそういうイメージがまあまあ強い感もありました。
そんな父でしたが、私が現場で何度釣り糸を絡ませても、一言の不満も口に出さずに、黙々と問題を解決していました。
ほぐしに成功したり、どうやっても無理そうな時は新たに仕掛けを作り直したり。
本当の本当に小さな声での「ああクソッ」も「ちっ」もありませんでした。
あの(?)短気な父がです。
私が委縮して「もう釣りはいい・・・」と言い出さないように、強い心で意思をコントロールしていたことが明白です。
そんな父の努力もむなしく、私は釣り人になりませんでした。
「釣り名人の三平くん」が出てくる漫画・アニメは大好きだったんですけども(汗)

だって、釣り糸って結ぶのが難し過ぎですよ。
あと、決定的に「僕に釣りは無理」と思ったできごとがありまして。

リール付きの竿で、仕掛けを狙ったところに投げ送ってから始める「投げ釣り」ってありますよね。
どんくさい私はあれができなかった。
仕掛けがまともに飛んでいかなかった。
防波堤にずらっと釣り人・竿が並んでいるような現場で、私が投げた仕掛けが超斜めに、数々の他人の釣り糸を横切って飛んでいった時。
絶望的な気持ちになりました。

父が皆さんに謝り、なんとか自竿の仕掛けを回収した後に、父はアドバイスをくれました。
「いいか、真上から真下にまっすぐ振り下ろすんだ。そうすればタイミングをミスっても、真上か真下に行くだけだから、もう一回やり直せばいい。
いいか、真上から真下にまっすぐだぞ」
私は「うん、そうだ。わかる」と納得しました。
そして、剣道の選手が正々堂々と面を打ち込む時のイメージで真上から真下に振り下ろして仕掛けを投げ送りました。

私が全意識を集中してベストを尽くしたその仕掛けは、右に、ほぼ真横に、飛んで行っておりました・・・。
自分のイメージとはかけ離れた軌道で、一瞬何が起こっているのかわかりませんでした。

その日以来、私は投げ釣り同行は辞退するようになりました・・・。

父は、私と一緒に釣りをするという夢は叶いませんでしたが、後々に義理の息子(私にとっての義兄弟)や孫と釣りに行っていました。
ホッとした私です。

釣りには苦手意識がありましたが、父に連れられて夜釣りにいった帰りに、ラーメン屋に寄るのは楽しみでした。
深夜のラーメン屋での父とのラーメン。いい思い出です。


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