こうきちの小屋 はるのこうきち雑記ノート

抱きまくら抱きしめて眠るおじさんの日々

情けは人の為ならず(昔ながらの本来の意味を願った夜)

大昔、わが両親起点の小規模な親族での集まりの最中。
私がたった一言発言したら、甥っ子姪っ子から「うわっ!!こうきちにいちゃんがしゃべった!!」と驚きの声が上がりました。
そんな無口キャラだった男、こうきちです。
そしてそのエピソードを知った妻に「無口詐欺だ!実像をばらした~い!」と微笑まれてしまう。
そんな夫 兼 父、こうきちです。
こうきち家の中でだけ陽気キャラ。

そんな「外では控えめな私」ですが、反射的に図々しいことをお願いしたことが一度だけありました。
あれは数年前の夏のことでした・・・。

となりの町で、結構盛大に花火が上がる夏祭りがありまして。家族で出向きました。
花火を眺めるための座る場所を確保し、「せっかくだからさ、お祭りらしい食べ物でも食べようか」となり、私が調達に立ちました。

それは屋台を物色していた時に起こりました。
かき氷屋さんと小学校低学年とみられる少年がやり取りしていました。
「ぼく、シロップは何にする?」「いちご!」
ほほえましい光景。となりにはその子のお姉ちゃんもいたような。

かき氷を受け取ったその少年は、満面の笑みで一歩踏み出し、そして何かにつまづいて、受け取ったばかりのかき氷を全てぶちまけてしまいました。
ああっ!!
まさに「天国から地獄」
(固まってしまった、年が離れていないお姉ちゃん。)

それがわが子の出来事だったら、「仕方ないね(自己責任だものね・・・)」で並び直して買い直したと思います。
でも、私と無関係の知らない子だったからこそ、図々しくなれました。
「かき氷屋さんすみません!うちの子じゃないからお願いします!かわいそうだから、作り直してくれませんか!!」
かき氷屋さんは「まあね、仕方ねえわな」と笑って作り直し始めてくれました。

関西育ちの方だったら、もっと上手にみんなが笑顔になるような言い方でお願いできたのかもしれません。
それができなかった私は恥ずかしくなって、少年に「よかったね!」とだけ言って、その場を離れました。

見返りを期待する親切ではいけないのかもしれませんが、その晩、私はこんなことを思いました。
「情けは人の為ならず」
昔ながらの本来の意味は、「情けを人にかけておけば、巡り巡って自分によい報いが来るということ。」

少年がその後そのことを親御さんに話したとする。あるいは少年自身やお姉ちゃんも今日のことを忘れないでいてくれたとする。

将来もし、今日の少年やお姉ちゃん、その親御さんが、「わが子(私こうきちの子)が困りごとに直面しているような」そんな場面にもし出くわしたとしたら。
手を差し伸べてやってくださいませんか。

弱虫人間の私の子なので、わが子も困りごとが多い人生になるような気がします。
そんな場面に、たまたま出くわしたとしたら、わが子に何か声をかけてくださるとうれしいです。

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さっきの私の行動は、かき氷屋さんには迷惑だったかもしれない。
私は、少年が人生の厳しさや教訓を学ぶ機会をつぶしてしまったのかもしれない。
もっと機転が利く人なら、みんなが笑顔になるようなお願いの仕方をしたのかもしれない・・・。

色んなことが頭を巡りました。

それでも。
「お天道様、お月様。
今日の私の行動が、将来のわが子の助けにつながるようなことがあるのであれば、とてもありがたく思います」

夜空に打ちあがる花火たちを見ながら、そんなことを願ったその晩のこうきちでした。

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